第33回卒業証書授与式を挙行しました。

| 校長

33期生が福井高校を巣立っていきました。生徒会長の送辞、卒業生の答辞はともに素晴らしい内容で、聞いていて目頭が熱くなりました。卒業の歌は「3月9日」、万感の思いを込めて歌ってくれました。退場の時に、担任に対し、クラス全員で「先生ありがとうー!」と感謝の気持ちを表していました。それぞれ進む道は違っても、福井で学んだ気持ちを忘れずに、新天地で頑張って欲しいと思います。以下、私の式辞の抜粋です。

式辞

 保護者の皆さま、本日は誠におめでとうございます。これまで多くのご苦労があったかと存じますが、このように立派に育てられましたことに敬意を表しますとともに、本校の教育活動にご理解・ご協力をいただきましたことに心よりお礼申しあげます。

 さて、33期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。私から皆さんに二点お話しをします。

 まず一点目、先日のドリカムフェスタの時に、ここ2年で皆さんが大きく成長したと思いました。後足りないのは『自信』だけです。

 テニスの大坂なおみ選手は数年前までは、精神的に非常に脆く、感情のコントロールが苦手な選手でした。彼女は全豪オープンで優勝したときに勝因を聞かれ、「自分のやってきたことを信じ、試合に集中できたこと」と答えました。皆さんもこれからの人生でピンチを迎えたり、チャレンジしたりする機会には、自らの力を信じ、強い気持ちで社会の荒波に立ち向かってください。

 もう一点、「人と人との関わり」についてです。平成30年度は大阪にとって厳しい年となりました。6月の大阪北部地震では、多くの方々が被災されました。そして9月の台風21号では、各地に大きな爪痕を残しました。科学技術の進歩、AI人工知能の時代と言われても、自然の恐ろしさの前に人間の無力さを思い知らされました。

 そんな中、人と人との関わりの大切さを改めて教えられました。住民の方々とボランティアが協力してがれきを片付けたり、長時間並んで給水車を待つ間、子どもやお年寄りに先を譲ったりといったことがありました。自衛隊や警察、消防、自治体職員の方々が危険を顧みず救助活動をされました。『人』という文字は互いに傾きながらも支え合って、構成されています。多くの人との『出会い』を大切に厳しい時代を力強く生きてください。

 6月には大阪G20サミットがあり、9月にラグビーのワールドカップが大阪でも数試合が行われ、そして2025年には大阪万博が開催されます。国際化の時代に、社会に飛び出していく皆さんのご活躍を期待しています。

平成31年2月26日

校長 富永 誠